教室からのメッセージ
緩和ケアは、現代では疾患の時期によらず診断された時点から緩和ケアが提供されるべきという概念が広く認識されるようになり、がん治療において、外科治療、薬物治療、放射線治療とならび、第4の治療であると考えられています。当科は緩和ケアの源にある「人を手厚く癒やす精神」を大切にし、病と向き合う全ての方の希望を支える医療を目指し、診療・研究・教育を行っていきたいと考えております。
医学生の皆さんへ
岩手医科大学の医学生の皆さんには第4〜5学年の期間に2日半の日程で緩和医療学科の臨床実習をして頂きます。
午前は主に緩和ケアチームによる回診や緩和ケア病棟の回診、さらには緩和ケア外来の診察に同行し、患者さんやご家族のつらさの訴えに耳を傾け、そのつらさを少しでも緩和するには今一体何が出来るのかを一緒に考え、学びを得て頂ければと思います。
午後は医師や看護師、薬剤師を中心メンバーとした緩和ケア病棟カンファレンスに同席して頂き、患者さん一人一人のその人らしさを大切にするケアを実践していくための熱い議論に参加して頂きます。カンファレンスの後は医学生の皆さんの緩和ケアに対する思いや質問を聞く時間や、緩和ケアの知識を復習しまとめるミニレクチャーの時間も準備しています。
緩和医療学科での臨床実習が「誠の医療人」への一歩となるよう、スッタフ全員で皆さんの学びを支えていきます。
研修医の皆さんへ
岩手医科大学緩和医療学科では随時、臨床研修医の先生方の研修が可能です。
緩和ケア病棟での診療を中心に、緩和ケアチームや緩和ケア外来の診療にも共に携わって頂きます。研修中に学んで頂く主な項目として①疼痛へのオピオイドの適切な処方と使い分け、②呼吸困難感・倦怠感・悪心・嘔吐・便秘への対応、③腹部膨満感・腹水への対応、④せん妄・不眠への対応、⑤鎮静への対応、⑥スピリチュアルな側面への対応、⑦お看取りのケア、⑧地域連携、等があります。これらを多職種の医療スタッフと連携しながら、患者さんやご家族のケアにつながるよう実践しながら学んで頂きます。
緩和医療学科研修での学びが、皆さんが目指す診療科において必ずや医療の礎になると確信しています。